薬剤師国家試験 第109回 問186 過去問解説

 問 題     

骨粗しょう症に関する記述のうち、正しいのはどれか。2 つ選べ。

  1. 閉経後は、骨吸収の相対的な低下により、骨量の減少をきたす。
  2. 典型的な X 線所見として、頭蓋骨の打ち抜き像がある。
  3. 骨代謝マーカーは、骨折リスクの予測に有用である。
  4. 閉経後骨粗しょう症の治療には、エストロゲンの補充療法を行う。
  5. 選択的エストロゲン受容体モジュレーター (SERM) は、乳腺や子宮内膜に対してエストロゲン様作用を示す。

 

 

 

 

 

正解.3, 4

 解 説     

選択肢 1 ですが
閉経 → エストロゲン作用減弱 → 骨吸収速度上昇 → 骨密度低下 という流れです。「骨吸収の相対的な低下」であれば、骨密度・骨量は上昇します。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
骨粗しょう症検査で、胸椎・腰椎のレントゲンをとることを知っていたり思い出せれば「頭蓋骨の…像」ではないと判断できるのではないでしょうか。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 は妥当です。
骨形成マーカー: Osteocalcin (OC)、骨型アルカリフォスファターゼ (BAP)、I 型プロコラーゲン-N-プロペプチド (P1NP)、骨吸収マーカー:I 型コラーゲン架橋 N – テロペプチド (NTX)、酒石酸抵抗性酸フォスファターゼ – 5b (TRACP-5b) などが、代表的骨代謝マーカーです。

選択肢 4 は妥当です。
閉経後骨粗しょう症の治療についての記述です。

選択肢 5 ですが
選択的エストロゲン受容体モジュレーター (SERM) は、骨に対しては女性ホルモン類似の作用を示すが、子宮などでは抗女性ホルモン作用を示します。選択肢 5 は誤りです。


以上より、正解は 3,4 です。

コメント