問 題
薬剤服用後に発症する偽膜性大腸炎に関する記述のうち、正しいのはどれか。2 つ選べ。
- 主な原因医薬品として、抗菌薬がある。
- 緑膿菌感染による大腸炎である場合が多い。
- 便秘が持続し、腸閉塞に至ることが多い。
- 治療薬として、メトロニダゾールやバンコマイシン塩酸塩が使用される。
- 難治性の場合は、インフリキシマブが用いられる。
正解.1, 4
解 説
偽膜性大腸炎は、 Clostridioides difficile (旧 Clostridium difficile :CD) という菌が異常増殖して起きる感染性大腸炎の 1 種です。 内視鏡検査で大腸の壁に、偽膜と呼ばれる小さい円形の膜が見られます。抗菌薬投与による、腸内細菌叢の環境変化が原因であることが多いです。
選択肢 1 は妥当です。
主な原因医薬品は抗菌薬です。
選択肢 2 ですが
緑膿菌:Pseudomonas aeruginosa シュードモナス・エルギノーザ ではなく、Clostridioides difficile クロストリジオイデス・ディフィシル が原因です。選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 ですが
腹痛、頻回の水様性の下痢、発熱などが見られます。「便秘が持続」は適切ではありません。選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 は妥当です。
偽膜性大腸炎の治療薬です。
選択肢 5 ですが
インフリキシマブは、遺伝子組み換え 抗ヒト TNF-α モノクローナル抗体です。自己免疫疾患である 潰瘍性大腸炎などに用いられますが、偽膜性大腸炎には用いられません。選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 1,4 です。
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