問 題
TDM の実施が望ましい薬物の性質として、正しいのはどれか。2 つ選べ。
- 有効血中濃度の範囲が広い。
- 体内動態の個人差が小さい。
- 薬物相互作用を受ける可能性が低い。
- 体内動態に非線形性が認められる。
- 副作用と対象疾患の症状の区別が難しい。
正解.4, 5
解 説
【TDM の基礎知識】
TDM とは、目の前の患者にふさわしい投与設計、薬物療法を行うためのモニタリングです。代表的な手法が、適宜血中濃度を測定しつつ用法・用量を調節していく というものです。
TDM の必要性が高い薬物とは、1:血中濃度と薬効に相関があり、かつ 2:治療域が狭かったり、体内動態の変化が大きかったりして一律な用法・用量では問題が生じ、しかも 3:血中濃度測定以外で効果判定をしかねるような薬物です。
選択肢 1 ですが
有効血中濃度の範囲が広いのであれば、治療域が広いと考えられます。TDM を行うメリットが小さいです。選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 ですが
個人差が小さいのであれば TDM で個別の変化を知りつつ治療をするメリットが小さいです。選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 ですが
薬物相互作用の程度を血中濃度を使ってモニタリングするメリットが小さいと考えられます。選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4,5 は妥当です。
以上より、正解は 4,5 です。
参考 治療的薬物モニタリング TDM
https://yaku-tik.com/yakugaku/yz-3-2-1/
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