問 題
造血系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2 つ選べ。
- エルトロンボパグは、赤芽球系前駆細胞のエリスロポエチン受容体を刺激することで、赤血球の産生を促進する。
- メコバラミンは、赤芽球内のヘム合成酵素の補酵素として作用することで、ヘムの合成を促進する。
- ダプロデュスタットは、低酸素誘導因子 (HIF) プロリン水酸化酵素を阻害することで、HIF の分解を抑制してエリスロポエチンの産生を促進する。
- フィルグラスチムは、単球系前駆細胞から単球への分化を促進することで、単球からの顆粒球コロニー刺激因子 (G-CSF) の放出を増加させる。
- 葉酸は、体内でテトラヒドロ葉酸に代謝されて、DNA 合成の補酵素として作用し、赤血球の成熟を促進する。
正解.3, 5
解 説
選択肢 1 ですが
エルトロンボパグは、トロンボポエチン受容体を刺激することで、血小板減少症を改善します。「エリスロポエチン受容体を刺激」ではありません。選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 ですが
メコバラミンはビタミン B12 製剤です。DNA 合成を促進します。ヘム合成酵素の補酵素として作用し、ヘムの合成を促進するのは「ビタミン B6」です。選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 は妥当です。
ダプロデュスタットは、HIF – PH (低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素) を阻害することにより、赤血球を増やす作用があるエリスロポエチンを増加させ、貧血を改善する効果があります。腎性貧血の治療に用いられます。
選択肢 4 ですが
フィルグラスチムは、G – CSF 製剤です。この製剤は、主に好中球を増加させます。白血球は単球、顆粒球系、リンパ球に分類されますが、好中球は「顆粒球系」です。単球系ではありません。選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 は妥当です。
葉酸についての記述です。
以上より、正解は 3,5 です。
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