薬剤師国家試験 第109回 問144 過去問解説

　問 題　　　　　

特定用途医薬品の指定に必須となる要件はどれか。2 つ選べ。

1. 製造販売の承認が与えられた場合に、その用途に関し、特に優れた使用価値を有すること。
2. その用途に係る対象者が我が国で 5 万人未満であること。
3. その用途に関し、既に製造販売承認を与えられている医薬品と作用機序が明らかに異なる物であること。
4. その用途が、感染症の拡大などの緊急時に用いる必要がある物であること。
5. その用途が、厚生労働大臣が指定する区分に属する疾病の治療等であって、その用途に係る需要が著しく充足されていないと認められる物であること。

 

 

 

 

 

　解 説　　　　　

特定用途医薬品は、小児用法用量が設定されていないなどの「医療上のニーズが著しく充足されていない医薬品」について指定したものです。指定されると承認に係る相談・審査等で優先的な取扱いを受けることができます。薬機法第 77 条の 2 第 3 項に基づきます。

同様の制度として、希少疾病用医薬品制度がありますが、この制度でカバーできない領域のための制度と考えるとわかりやすいです。

選択肢 1 は妥当です。

選択肢 2 ですが
希少疾病用医薬品についての記述です。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
用法用量が設定されていないといった点が要件なので「既存医薬品と作用機序が明らかに異なる」という要件は必要ありません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
緊急時に用いる必要がある物であることといった要件は必要ありません。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は妥当です。
必須要件の 1 つです。

以上より、正解は 1,5 です。