薬剤師国家試験 第109回 問141 過去問解説

 問 題     

廃棄物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2 つ選べ。

  1. 産業廃棄物の種類別排出量として最も多いのは、汚泥である。
  2. 有害廃棄物の国境を越える移動及びその処理によって生じるヒトの健康被害並びに環境汚染を防止するために、ロンドン条約が制定されている。
  3. 循環型社会における廃棄物・リサイクル対策を総合的に推進し、削減対策の優先順位を明確化するために、循環型社会形成推進基本法が制定されている。
  4. 海洋汚染の原因となるマイクロプラスチックは、プラスチックゴミの生分解により生じた微小粒子である。
  5. 海洋への廃棄物投棄による海洋汚染を防止するための国際的対応として、バーゼル条約が制定されている。

 

 

 

 

 

正解.1, 3

 解 説     

選択肢 1 は妥当です。
この選択肢を確実に判断するのは少し難しい印象です。選択肢 2,4,5 を確実に誤りと判断したい問題です。

選択肢 2 ですが
ロンドン条約は、海洋汚染防止が目的の国際条約です。有害廃棄物の国境を超える移動及びその処分の規制に関する条約は、バーゼル条約です。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 は妥当です。
循環型社会形成推進基本法についての記述です。

選択肢 4 ですが
本試験時点において、マイクロプラスチックは「直径 5mm 以下の小さなプラスチック」と定義されています。製品として意図的に作られたり、プラスチックの風化等によって発生します。微生物のはたらきで分解されることがないため、蓄積性があります。「プラスチックごみの生分解により生じた」ものではありません。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
記述は ロンドン条約についてです。バーゼル条約ではありません。選択肢 5 は誤りです。


以上より、正解は 1,3 です。

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