薬剤師国家試験 第109回 問139 過去問解説

 問 題     

一般環境大気測定局及び自動車排出ガス測定局における大気汚染物質の測定法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2 つ選べ。

  1. 一酸化炭素は、照射した赤外線の吸収量に基づいて測定される。
  2. 二酸化窒素は、紫外線の照射によって励起した二酸化窒素分子が発する蛍光の強度に基づいて測定される。
  3. 光化学オキシダントは、ザルツマン試薬との反応により生じる生成物の吸光度に基づいて測定される。
  4. 二酸化硫黄は、エチレンとの反応により生じる近紫外線領域の発光の強度に基づいて測定される。
  5. 浮遊粒子状物質は、ろ紙上に粒子を捕集して、β 線を照射し、その透過量に基づいて測定される。

 

 

 

 

 

正解.1, 5

 解 説     

選択肢 1 は妥当です。
ちなみに CO、CO2 共に 赤外線吸収装置を用いて測定できます。


選択肢 2 ですが
CO2 も CO と同様に「赤外線」の「吸収」に基づき測定されます。「紫外線」の「照射により励起した分子が発する蛍光」ではありません。選択肢 2 は誤りです。


選択肢 3 ですが
オゾンやパーオキシアセチルナイトレートなどの光化学オキシダントは、窒素酸化物と炭化水素の光化学反応により大気中で生成される酸化力の強い二次汚染物質の総称です。ザルツマン試薬は、NO2 に反応しますが、NO とは反応しません。これらが基礎知識です。光化学オキシダントの測定に、ザルツマン試薬は用いられないと考えられます。選択肢 3 は誤りです。

ちなみに
光化学オキシダントは、中性ヨウ化カリウム溶液を用いる吸光光度法、中性ヨウ化カリウム溶液を用いる電量法、紫外線吸収法、エチレンを用いる化学発光法のいずれかの方法で測定します。


選択肢 4 ですが
「溶液導電率法」が SOx 測定法です。エチレンを用いる化学発光は、光化学オキシダントの測定法の 1 つです。選択肢 4 は誤りです。


選択肢 5 は妥当です。
浮遊粒子状物質の測定法についての記述です。


以上より、正解は 1,5 です。

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