問 題
下水処理に関する記述のうち、正しいのはどれか。2 つ選べ。
- 標準活性汚泥法の曝気槽では、主に嫌気性細菌が有機物質を分解している。
- 標準活性汚泥法の最終沈殿池では、活性汚泥 (フロック) の沈降性が低下することにより、有機物質の除去効率が上がる。
- 標準活性汚泥法において、最終沈殿池の汚泥の一部は、返送汚泥として曝気槽に戻され再利用されている。
- 標準活性汚泥法に比べて嫌気・無酸素・好気法は、リン及び窒素の除去効率が高い。
- 嫌気・無酸素・好気法において、リン蓄積菌は嫌気槽でリンを取り込み、好気槽でリンを放出している。
正解.3, 4
解 説
選択肢 1 ですが
活性汚泥法は、下水や汚水に活性汚泥を加え、空気を注入しながら好気性微生物による生物学的浄化を行う処理法です。曝気槽は空気を吹き込んでいる槽です。「主に嫌気性細菌が… 分解している」わけではありません。選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 ですが
活性汚泥 (フロック) を重力沈降により沈殿させます。除去したい汚れが沈殿に含まれています。沈殿性が低下している場合は、汚れを取り除く能力が落ちていると考えられます。「沈降性が低下することにより…除去効率が上がる」わけではありません。選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 は妥当です。
活性汚泥の再利用についての記述です。
選択肢 4 は妥当です。
標準的下水処理方法では、処理水に窒素やりんが残っています。処理水から窒素やりんを取り除く下水処理の方法が「高度処理」です。
選択肢 5 ですが
好気槽でリンを放出してしまうと、結局リンが除去できません。リンを含んだままで沈殿してもらって、沈殿除去することでリンが除去されます。選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 3,4 です。
類題 100-137 下水処理
https://yaku-tik.com/yakugaku/100-137/
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