問 題
化学物質の毒性試験に関する記述のうち、正しいのはどれか。2 つ選べ。
- 単回投与毒性試験 (急性毒性試験) から得られる半数致死量は、毒物及び劇物の分類の判定に利用されている。
- 反復投与毒性試験 (慢性毒性試験) は、特殊毒性試験に含まれる。
- 微生物を用いる復帰突然変異試験は、非遺伝毒性発がん物質のスクリーニングに用いられている。
- 食品添加物のアレルゲン性試験 (抗原性試験) は、遅延型アレルギーを指標とする試験方法である。
- 催奇形性試験 (発生毒性試験) は、被験物質を交配前の雌性動物に投与して行う。
正解.1, 4
解 説
【毒性試験の基礎知識】
化学物質の毒性試験には、一般毒性試験と特殊毒性試験があります。一般毒性試験は単回投与試験(急性毒性試験)と反復投与試験(慢性毒性試験)のことです。特殊毒性試験は、生殖機能への影響や、遺伝子に対する影響、依存性、発がん性やアレルギーを引き起こす性質等についての試験です。
選択肢 1 は妥当です。
半数致死量は LD50 です。毒物劇物の判定基準として、例えば「経口 毒物:LD50 が 50 mg/kg 以下のもの、劇物:LD50 が 50 mg/kg を越え 300 mg/kg 以下のもの」といった基準があります。
選択肢 2 ですが
反復投与毒性試験は、一般毒性試験に含まれます。特殊毒性試験ではありません。選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 ですが
復帰突然変異試験は、突然変異を引き起こす作用を有するかどうか 細菌を用いて調べる試験です。非遺伝毒性発がん物質とは、遺伝子の変異は引き起こさず、細胞の異常な増殖を促進し腫瘍を形成させる物質です。Bhas42 細胞を用いる「形質転換試験」がスクリーニングに用いられます。選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 は妥当です。
アレルゲン性試験 (抗原性試験) に関する記述です。
選択肢 5 ですが
催奇形性試験では、被験物質を妊娠中の母動物に投与した時の胎仔の発生及び発育に対する影響を観察します。「交配前の雌性動物に投与して」ではありません。選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 1,4 です。
類題 108-133 毒性試験
https://yaku-tik.com/yakugaku/108-133/
コメント