問 題
炎症に関する記述のうち、正しいのはどれか。2 つ選べ。
- 発赤は、炎症の兆候の一つで、赤血球が血管外に浸潤する現象である。
- 補体成分の C3b と C5b は、肥満細胞からヒスタミンを遊離させるアナフィラトキシンである。
- P-セレクチンは、血管内皮細胞の表面に発現し、白血球の炎症部位への動員に関わる。
- Toll 様受容体は、主に炎症後期に線維芽細胞の活性化に関わり組織修復を促す。
- 炎症時には、肝臓での C 反応性タンパク質の産生が亢進する。
正解.3, 5
解 説
選択肢 1 ですが
記述前半は妥当です。発赤 (ほっせき/はっせき) は、皮膚が著しく赤くなることです。ちなみに「発赤、熱感、腫脹、疼痛」を「炎症の4兆候」といいます。
記述後半ですが、炎症は異物に対する白血球による防御反応です。「赤血球が血管外に浸潤」するのは「出血」です。選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 ですが
C3a,C4a,C5a がアナフィラトキシンと呼ばれます。「C3b、C5b」ではありません。選択肢 2 は誤りです。(105-117 既出)。
選択肢 3 は妥当です。
セレクチンは、レクチンの一種です。レクチンとは、糖鎖結合能を有するタンパク質の総称です。セレクチンは、白血球と血管内皮細胞の接着に関与します。
選択肢 4 ですが
Toll 様受容体 は T 細胞の表面に発現し、病原体由来の様々な分子を認識します。「好中球やマクロファージによる自然免疫に関与」し、時期は炎症の「初期」と考えられます。「炎症後期…組織修復を促す」ではありません。選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 は妥当です。
炎症時の C 反応性タンパク質産生亢進に関する記述です。
以上より、正解は 3,5 です。
参考 国家総合職 R2 問92 補体系
https://yaku-tik.com/yakugaku/km-r2-92/
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