薬剤師国家試験 第109回 問107 過去問解説

 問 題     

下図は、ある化合物の 1H-NMR スペクトル〔400 MHz、CDCl3、基準物質はテトラメチルシラン(TMS)〕を示したものである。この化合物の構造式として正しいのはどれか。1 つ選べ。

なお、×印のシグナルは CDCl3 溶媒中に含まれる CHCl3 のプロトンに由来するシグナルであり、エのピークは重水 (D2O) を添加するとほぼ消失した。

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

ア の 6H のピークに注目します。選択肢 1,3 の構造では、ア の 6H を帰属できません。選択肢 1,3 は誤りです。ア のピークは、選択肢 2,4,5 に共通している 「N から伸びるジエチル部分における末端の水素 6 原子」に帰属されます。


選択肢 4 ですが

OH 基の H に対応する 1H のピークが見られません。選択肢 4 は誤りです。


選択肢 2 と 5 の構造を比較すれば、ベンゼン環の NH2
、つまりアミノ基の場所のみ異なっています。アミノ基の位置により、ベンゼン環の H のピーク形状が変わります。

ベンゼン環における H のピークは大体 6 ~ 9 ppm 付近です。ピーク カ、キが対応します。ピーク カ、キは 2 つに分裂しています。選択肢 2 の場合、ピークが 3 つに分裂する H が2 つあるはずです。選択肢 2 は誤りです。


以上より、正解は 5 です。

ちなみに
選択肢 5 はプロカインの構造式です。

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