薬剤師国家試験第109回問64 過去問解説

　問題　　　　　

尿路結石を有する痛風患者に対して、最も適切な尿酸降下薬はどれか。1 つ選べ。

正解．4

　解説　　　　　

痛風治療薬として、大きく尿酸合成阻害と排出促進薬があるのですが、尿路結石があるので排出促進は不適切です。尿酸合成阻害薬が妥当です。

選択肢 1 ですが
ベンズブロマロンは、尿酸の尿細管における再吸収を特異的に抑制する薬です。結果、尿酸の排出を促進します。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
コルヒチンは、微小管タンパク質（チュブリン）と結合することで、微小管の形成を阻害します。これにより、関節炎症部位への好中球の遊走を抑制することで、痛風発作を緩解します。不適切ではないのですが、尿酸合成阻害薬の方が妥当と考えられます。

選択肢 3 ですが
ドチヌラドは、尿酸トランスポーターの 1 つである URAT1 を選択的に阻害することで腎臓での尿酸の再吸収を妨げ、尿中への尿酸排泄を促進し血中尿酸値を低下させます。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は妥当です。
トピロキソスタット（ウリアデック）は、プリン骨格を「有さない」、選択的キサンチンオキシダーゼ阻害薬です。

選択肢 5 ですが
プロベネシドは、尿酸排出促進薬です。腎尿細管の尿酸トランスポーター (URAT1) を阻害し、尿酸再吸収抑制を介し、排出を促進します。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 4 です。

類題
108-37 キサンチンオキシダーゼ阻害薬
https://yaku-tik.com/yakugaku/108-037/

参考　病態・薬物治療学まとめ　高尿酸血症・痛風の病態生理、治療薬、注意点
https://yaku-tik.com/yakugaku/bt-3-5-3/

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