薬剤師国家試験 第109回 問56 過去問解説

 問 題     

神経筋接合部のアセチルコリン受容体に対する自己抗体が産生されることにより、筋力低下をきたす自己免疫疾患はどれか。1 つ選べ。

  1. イートン・ランバート症候群
  2. 重症筋無力症
  3. ギラン・バレー症候群
  4. 進行性筋ジストロフィー
  5. 筋萎縮性側索硬化症

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

アセチルコリン受容体に対する自己抗体なので「重症筋無力症」です。


以上より、正解は 2 です。


ちなみに、選択肢 1 ですが

イートン・ランバート症候群は、神経終末のカルシウムチャネルに対する自己抗体が産生されることにより、神経筋伝達が障害されて筋力低下等を示す自己免疫疾患です。

選択肢 3 ですが
ギラン・バレー症候群は、髄液の蛋白細胞解離を特徴とした、予後良好な、急性、多発性の、運動神経の障害です。自己免疫疾患の一種と言われています。発症に先行する感染症が多く見られることや、抗ガングリオシド抗体値の上昇が見られることなどが特徴です。

選択肢 4 ですが
進行性筋ジストロフィーは、骨格筋の壊死、再生を主な病変とする、進行性の筋力低下を生じる遺伝性の疾患です。代表的な分類として、X 連鎖劣性遺伝の「デュシェンヌ型筋ジストロフィー」があげられます。

選択肢 5 ですが
筋萎縮性側索硬化症は、神経原性の筋力低下及び筋萎縮をみとめる疾患です。


類題 107-58 重症筋無力症の初発症状
https://yaku-tik.com/yakugaku/107-058/

参考 病態・薬物治療学まとめ 重症筋無力症、筋ジストロフィー、多発性硬化症、ギラン・バレー症候群の概説
https://yaku-tik.com/yakugaku/bt-3-6-6/

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