薬剤師国家試験 第109回 問43 過去問解説

 問 題     

血漿タンパク質と結合する薬物について、平衡透析法により薬物の血漿タンパク結合率を測定した。半透膜で隔てた透析セルの左側に血漿を、右側に薬物溶液をそれぞれ加え、平衡に達するまで37℃で振とうした。

各透析セルの薬物濃度を [A] ~ [C] とするとき、血漿タンパク質に結合した薬物濃度を示す式はどれか。1 つ選べ。

  1. [B]+[C]
  2. [A]+[B]
  3. [A]-[B]
  4. [A]-[C]
  5. [B]-[C]

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

薬物と結合する血漿タンパク質はアルブミンと考えればよいです。

透析開始前は、半透膜を隔てた左側の血漿にはアルブミンのみ、右側の薬物溶液には薬物のみが存在します。振とう後は、左側には「アルブミンー薬物」及び「フリーの薬物」が存在します。右側にはフリーの薬物のみがあります。

重要なポイントは2点あります。
1つめは、左右の「フリーの薬物の濃度」は等しいことです。2つめは、左側における薬物濃度は「アルブミンに結合している薬物の濃度+フリーの薬物の濃度」であるという点です。イメージは以下の通りです。

血漿タンパク質に結合した薬物濃度は
[B]ー[C]です。


以上より、正解は 5 です。

類題 104-165
https://yaku-tik.com/yakugaku/104-165/

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