薬剤師国家試験 第109回 問31 過去問解説

 問 題     

血管平滑筋細胞において、可溶性グアニル酸シクラーゼを刺激して血管拡張作用を示すのはどれか。1 つ選べ。

  1. アルプロスタジル
  2. シルデナフィル
  3. ベラプロスト
  4. リオシグアト
  5. マシテンタン

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

選択肢 1 ですが
アルプロスタジルは、プロスタグランジン E1 という、血小板凝集抑制などの生理活性を有する化合物です。可溶性グアニル酸シクラーゼを刺激するわけではありません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
シルデナフィルはホスホジエステラーゼ(PDE)5 を阻害し cGMP の分解を抑制します。結果的に cGMP 上昇に働き血管平滑筋を弛緩(拡張)させますが、可溶性グアニル酸シクラーゼを刺激するわけではありません。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
ベラプロストは、血管平滑筋細胞においてサイクリック AMP (cAMP) を増やすことで血管拡張作用を示す、プロスタグランジン I2 誘導体製剤です。可溶性グアニル酸シクラーゼを刺激するわけではありません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は妥当です。
リオシグアト(アデムパス)は、可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC) 刺激薬です。慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)および、肺動脈性肺高血圧症(PAH)の治療薬です。 肺動脈を広げるタイプの薬です。

選択肢 5 ですが
マシテンタン (オプスミット) は、エンドセリン受容体拮抗薬です。エンドセリンは、血管収縮をもたらす体内物質です。肺動脈性肺高血圧症治療薬です。


以上より、正解は 4 です。

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