薬剤師国家試験 第109回 問27 過去問解説

 問 題     

自律神経節遮断薬の効果として、正しいのはどれか。1 つ選べ。

  1. 心拍数低下
  2. 散瞳
  3. 消化管運動促進
  4. 排尿促進
  5. 発汗促進

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

自律神経節遮断薬により、交感神経系も副交感神経系も遮断されます。各臓器が「交感神経優位」か「副交感神経優位」か により、自律神経節遮断薬の効果が異なります。


選択肢 1 ですが

心臓は、副交感神経系優位です。副交感神経が刺激されると脈は低下します。自律神経節遮断薬を投与すると副交感神経遮断の影響がより大きくでるため結果として「頻脈」、つまり心拍数「増加」となります。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は妥当です。
抗コリン薬で瞳ぱっちり を思い出せば判断できると思われます。

選択肢 3 ですが
消化管は副交感神経の支配が優位です。副交感神経が刺激されると消化管が活発に活動します。自律神経遮断薬投与により、副交感神経遮断の影響が大きく出るため結果として消化管運動は抑制されます。結果便秘がちになります。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
抗コリンの代表的副作用である「尿閉」を思い出せば「排尿促進」ではないと判断できるのではないでしょうか。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
汗腺は交感神経が優位に支配しています。交感神経優位になると、汗が吹き出してくるといった反応が見られます。自律神経節遮断薬投与で交感神経遮断の影響がより大きくでるため、結果として汗の分泌が「低下」します。発汗「促進」ではありません。選択肢 5 は誤りです。


以上より、正解は 2 です。

類題 105-153 自律神経節遮断薬の効果
https://yaku-tik.com/yakugaku/105-153/

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