薬剤師国家試験 第109回 問20 過去問解説

 問 題     

ホルムアルデヒドや有機酸の殺菌・静菌作用によって食品の保存性を高める方法はどれか。1 つ選べ。

  1. 乾燥
  2. 塩蔵
  3. くん煙
  4. 冷蔵
  5. 糖漬

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

乾燥、塩蔵、冷蔵でホルムアルデヒドなどは関与しないよね… と考えて 選択肢 1,2,4 は外せたのではないでしょうか。また、糠漬 (ぬかづけ) は殺菌・静菌作用ではなくむしろ発酵させる方法なので、誤りと判断したい選択肢です。


くん煙は、香りの良い木材を高温に熱した時に出る煙を食材に当て、風味付けと同時に、煙に含まれる殺菌・防腐成分を食材に浸透させる食品加工技法です。保存性を高めると共に、特有の風味付けを行う点が特徴です。

木材を完全燃焼すると、CO2 と H2O となり、煙があまり出ないので、不完全燃焼環境を作ります。煙中にホルムアルデヒドやフェノールが発生し、微生物表面のタンパク質を変性させることにより死滅させます


以上より、正解は 3 です。

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