薬剤師国家試験 第108回 問343 過去問解説

 問 題     

68歳女性。急性閉塞隅角緑内障疑いで経過観察中。3日前から頻尿と尿意切迫感がみられるようになり、これに伴い夜眠れないことが多くなり、内科を受診した。検査結果は以下のとおりである。

尿所見:蛋白 (-)、糖 (-)。沈渣に赤血球1~4/1視野、白血球1~4/1視野、細菌 (-)。腹部超音波検査で残尿を認めない。

この患者の尿路症状改善に対する治療薬について、医師から薬剤師に相談があった。提案すべき薬物として、適切なのはどれか。1つ選べ。

  1. レボフロキサシン水和物
  2. アルプラゾラム
  3. プロピベリン塩酸塩
  4. タムスロシン塩酸塩
  5. ビベグロン

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

選択肢 1 ですが
レボフロキサシンは、ニューキノロン系抗菌薬です。感染による尿路症状ではないと考えられるため、選択肢 1 は適切ではありません。

選択肢 2 ですが
アルプロゾラムは、ベンゾジアゼピン系抗不安薬です。尿路症状改善には不適切と考えられます。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
プロピベリンは、過活動膀胱症候群などに対して用いられる抗コリン薬です。閉塞性緑内障に対して用いるべきではありません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
タムスロシンは、前立腺肥大症に用いられます。提案すべきと判断できる情報は見られません。選択肢 4 は誤りです。

以上より、正解は 5 です。

ちなみに
ビベグロン(ベオーバ)は、過活動膀胱治療薬です。選択的 β3 アドレナリン受容体アゴニストです。

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