薬剤師国家試験 第108回 問338 過去問解説

 問 題     

悪性リンパ腫に対してリツキシマブ、メトトレキサート・ホリナート救援療法を実施した。メトトレキサート投与後の時間ごとの血中濃度は下表のとおりである。

メトトレキサートの 72 時間後の血中濃度が、重篤な副作用が発現する危険性が高い 0.1 μmol/L を超えていたためホリナート投与を継続している。

この患者の血中メトトレキサート濃度が 0.1 μmol/L 未満となるのは投与何日後と推測されるか。1 つ選べ。

  1. 6
  2. 7
  3. 8
  4. 9
  5. 10

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

問題文における ※ 部分から、72時間以降であれば、1次速度で消失 とあるので、半減期は公式より 0.7/ke です。つまり、濃度によらず定数 といえます。

丁度血中濃度が 0.72 → 0.36 と半分になっている 期間が 48h なので、72時間以降において、半減期は 48h です。

半減期ごとに、血中濃度が 0.72 → 0.36 → 0.18 → 0.09  となることがわかりました。3半減期は 48 × 3 = 144h = 6 日 なので、投与から3日+6日 = 9日経つと 0.09 μ mol/L・・・(1) です。従って、正解は 選択肢 5 ではありません。

(1)の2日前だと、 0.18 μ mol/L なので、選択肢 1,2 は誤りです。さらに、1日前における血中濃度は 0.10 μ mol/L よりも高いと推測され、選択肢 3 も誤りです。

以上より、問 338 の正解は 4 です。

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