問 題
7 歳男児。身長 122 cm、体重 25 kg。母親に連れられて来局した。処方は以下のとおりである。母親に患児の症状を確認したところ、発熱、耳痛はあるが、耳介けん引痛はなかった。
お薬手帳及び薬歴を確認すると、併用薬はなかった。点耳薬の使用は初めてであったため、薬剤師が母親に服薬指導をした。
問224
母親に対する指導内容として最も適切なのはどれか。1 つ選べ。
- 使用後お子さんがめまいや痛みを感じたと言っても使用を続けてください。
- 使用時には冷蔵庫から取り出してすぐに使用してください。
- 耳たぶを後ろに引っ張るようにして、滴下してください。
- 点耳量は 1 回 1 滴だけです。
- 点耳後はすぐに起き上がらせてください。
問225
図は聴覚器の断面の模式図である。1 ~ 5 のうち、この患者の主たる炎症部位として、正しいのはどれか。1 つ選べ。
正解.
問224:3
問225:3
解 説
問224
選択肢 1,2 ですが
点耳薬によっては冷蔵庫保管のものもあります。冷たい点耳薬を使うと、めまいなどが生じることがあるので、体温程度まで、手のひらで温めてから使用します。めまいや痛みを感じたといった場合には、使用を避けます。選択肢 1,2 は誤りです。
選択肢 3 は妥当です。
容器先端が耳に触れないようにします。
選択肢 4 ですが
一般的に、点耳薬は 1 回、6 ~ 10 滴ほど使います。選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 ですが
本問では、点耳後、耳浴とあるので、約 10 分程度、姿勢を保ちます。選択肢 5 は誤りです。
以上より、問 224 の正解は 3 です。
問225
小さい子供に多い耳の病気で、中耳炎という名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。それをふまえ、図から中耳を選べるか、という問題です。中耳は鼓膜のすぐ内側部分なので 3 です。
1は耳介、2が外耳道です。1,2 の範囲を合わせて外耳といいます。4が前庭、5は聴神経です。
ちなみに、もしも耳介けん引痛がある、つまり耳たぶを引っ張ったら痛い場合は、外耳道炎が疑われます。
以上より、問 225 の正解は 3 です。
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