薬剤師国家試験 第108回 問195 過去問解説

 問 題     

臨床研究に関わるバイアスや交絡に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. ランダム化により、介入研究における被験者の選択バイアスを小さくできる。
  2. 非盲検化により、介入研究におけるエンドポイント評価時の情報バイアスを小さくできる。
  3. マッチングにより、観察研究における交絡要因の影響は小さくできる。
  4. 盲検化により、介入研究の交絡要因を解析できる。
  5. フォレストプロットにより、メタアナリシスの結果に影響する公表バイアスを評価できる。

 

 

 

 

 

正解.1, 3

 解 説     

盲検とは、使う薬や治療法などの性質を 知らない状態で試験・研究を行う ということです。(100-69 二重盲検試験における「盲検」の説明)。

選択肢 1 は妥当です。

選択肢 2 ですが
バイアスを小さくできるのは「盲検化」です。非盲検化ではありません。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 は妥当です。
マッチングとは、年齢、性別等の臨床的特性が、介入群と対照群ともに同等の割合となるように割り振ることです。

選択肢 4 ですが
まず、交絡因子とは、原因 → X → 結果 という関係にある X のことです。盲検では、交絡要因の解析はできません。選択肢 4 は誤りです。多変量解析等により、交絡要因は解析します。(参考 102-189 薬物Aと薬物Bの副作用発現における重症度の影響)。

選択肢 5 ですが
フォレストプロットは、メタアナリシスの結果を図示する際に用いられます。結果に影響する公表バイアスを評価するのは、ファンネルプロットです。(参考 99-303 逆流症状を有する患者の慢性の咳に対するプロトンポンプ阻害薬の効果に関する論文について)。

以上より、正解は 1,3 です。

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