薬剤師国家試験 第108回 問152 過去問解説

 問 題     

自律神経系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2 つ選べ。

  1. シロドシンは、アドレナリン α1A 受容体を遮断して、前立腺部の平滑筋収縮を抑制する。
  2. エチレフリンは、アドレナリン β1 受容体を遮断して、心拍出量を減少させる。
  3. リトドリンは、アドレナリン β2 受容体を刺激して、子宮平滑筋を弛緩させる。
  4. グリコピロニウムは、アセチルコリン M3 受容体を刺激して、気管支平滑筋を弛緩させる。
  5. セビメリンは、アセチルコリン M3 受容体を遮断して、唾液分泌を高める。

 

 

 

 

 

正解.1, 3

 解 説     

選択肢 1 は妥当です。
シロドシンは 選択的 α1A 遮断薬です。前立腺肥大症に伴う排尿障害改善薬として用いられます。

選択肢 2 ですが
エチレフリンは、アドレナリン α、β 受容体刺激薬です。遮断薬ではありません。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 は妥当です。
リトドリンは、β2 受容体刺激薬です。平滑筋における β2 受容体に選択性が高いという特徴を有し、切迫流・早産治療剤として用いられます。

選択肢 4 ですが
グリコピロニウムは、4級アンモニウム構造を有する 抗コリン薬です。アセチルコリン M3 受容体の「刺激」薬ではありません。用途としては、吸入薬として COPD 治療に用いられるほか、経口及び外用で 多汗症治療に用いられています。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
セビメリンは M3 受容体刺激薬です。口腔乾燥治療薬です。(106-152 副交感神経系に作用する薬物)。M3 受容体を「遮断」ではありません。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 1,3 です。

参考 薬理学まとめ 交感神経系に作用する薬

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