薬剤師国家試験 第108回 問139 過去問解説

 問 題     

図1~3は、一般環境大気測定局 (一般局) 及び自動車排出ガス測定局 (自排局) における大気汚染物質濃度の年平均値の推移を示したものであり、大気汚染物質 ア ~ ウ は二酸化硫黄、二酸化窒素、光化学オキシダントのいずれかである。

次の記述のうち、正しいのはどれか。1 つ選べ。

ただし、光化学オキシダントは昼間の日最高 1 時間値の年平均値である。

  1. 大気汚染物質 ア は、光化学反応によって生じる二次汚染物質である。
  2. 大気汚染物質 イ は、燃焼などの高温下で大気成分が酸素と反応して生じる。
  3. 大気汚染物質 ウ は、主に自動車排出ガス成分として放出され、工場などの固定発生源からの排出の影響は小さい。
  4. 大気汚染物質 ア は、四日市ぜん息の主な原因物質である。
  5. 大気汚染物質 イ の 2010 年度以降における大気環境基準達成率は、一般局と自排局のいずれにおいても低い。

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

大気環境基準の達成率は、光化学オキシダント以外 ほぼ 100% です。(107-140 大気中の窒素酸化物)。1つだけ減少傾向にないので、イ が 光化学オキシダントです。

大気環境基準達成率について、光化学オキシダントの達成率は高くない ということが推測でき、正解は 5 です。

選択肢 1 ですが
「光化学反応によって生じる二次汚染物質」という部分から、記述は、光化学オキシダントについてです。すると、イ が対応します。ア ではありません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
大気成分が酸素と反応して生じる というのは、NO2 と考えられます。イ ではありません。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3ですが
SO2 に関する記述と思われます。すると、工場などからの排出が多いと考えられるため、誤りです。

選択肢 4 ですが
四日市ぜんそくの主な原因物質は SO2 です。石油コンビナート本格稼働 → 大気中濃度上昇という流れです。1950 年代末 ~ 1970 年ぐらいに問題になりました。この頃から対策されて、NO2 と比べ、より速い時期から濃度が低くおさえられています。従って、ウ が SO2 と考えられます。ア ではありません。選択肢 4 は誤りです。

以上より、正解は 5 です。

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