薬剤師国家試験 第108回 問116 過去問解説

 問 題     

リソソーム及びプロテアソームに関する記述のうち、正しいのはどれか。2 つ選べ。

  1. リソソームは、内部が塩基性のオルガネラで、様々な加水分解酵素を有する。
  2. エンドサイトーシスによりリソソームへ運ばれたタンパク質は、ATP依存的に分解される。
  3. プロテアソームは、巨大な筒状のプロテアーゼ複合体であり、ポリユビキチン化されたタンパク質を選択的に分解する。
  4. プロテアソームは、キラーT細胞へ提示されるウイルス由来タンパク質の分解に関わる。
  5. プロテアソームは、オートファゴソーム内に取り込まれて、オートファジーにおけるタンパク質分解を担う。

 

 

 

 

 

正解.3, 4

 解 説     

選択肢 1 ですが
リソソームは、内部が酸性のオルガネラ(細胞内小器官)です。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
エンドサイトーシスによりリソソームにおけるタンパク質の分解は、ATP 非依存的です。「ATP 依存的」ではありません。選択肢 2 は誤りです。

※薬剤師国家試験には不要と思いますが、この分野が急速に理解が深まっているようであり、「核酸や、細胞内タンパク質の分解」について、「リソソームにおける ATP 依存性の分解機構があることがわかってきている」様子です。

選択肢 3,4 は妥当です。
プロテアソームについての記述です。

選択肢 5 ですが
プロテアソームは、ユビキチン化されたタンパク質の分解を担います。オートファジーにおけるタンパク質分解ではありません。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 3,4 です。

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