問 題
下図は、ミトコンドリアと、その電子伝達系をつかさどる複合体Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ 並びに ATP 合成酵素を示した概略図である。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2 つ選べ。
- NADH 由来の電子は、複合体Ⅰを経由し、ユビキノンへ伝達される。
- H+ は、複合体Ⅰ、Ⅱ 及び Ⅳ においてマトリックスから膜間腔へ汲み出される。
- O2 は、複合体Ⅲにおいてシトクロム c から電子を受け取り H2O となる。
- ATP は、H+ が膜間腔側からマトリックス側へ ATP 合成酵素を通過する際に生成される。
- 内膜を通過する H+ 量は、NADH から電子が供給される場合の方が FADH2 からの場合に比べて少ない。
正解.1, 4
解 説
選択肢 1 は妥当です。
選択肢 2 ですが
複合体Ⅰ、「Ⅲ」、Ⅳを介して、マトリックスから膜間腔へ汲み出されます。複合体Ⅰ、「Ⅱ」、Ⅳではありません。選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 ですが
複合体 「IV」 でシトクロム c が酸化され、酸素分子に電子を伝達することで水に還元します。複合体「Ⅲ」ではありません。選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 は妥当です。
ATP 合成酵素に関する記述です。
選択肢 5 ですが
1モルの NADH の酸化により 10 個、FADH2 の酸化により6個のプロトンが運ばれます。従って、NADH からの方が「多い」です。選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 1,4 です。
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