問 題
多発性硬化症治療薬のフィンゴリモドは、体内でスフィンゴシンキナーゼによって立体選択的にリン酸化されて活性体となり、スフィンゴシン – 1 – リン酸 (S1P) 受容体アゴニスト活性を発揮する。
次の記述のうち、正しいのはどれか。2 つ選べ。
- S1P の 2 位の絶対配置は、S である。
- フィンゴリモドは、キラル化合物である。
- フィンゴリモドリン酸 (活性体) は、R 体である。
- S1P とフィンゴリモドリン酸は、両親媒性である。
- S1P は、グリセロリン脂質である。
正解.1, 4
解 説
選択肢 1 は妥当です。
下図参照。
選択肢 2 ですが
不正炭素が見当たりません。キラル化合物ではないと考えられます。選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 ですが
S 体です。下図参照。
選択肢 4 は妥当です。
細胞膜の構成成分であるリン脂質の特徴を思い出すとよいです。(参考 薬学基礎 生物学まとめ 細胞膜の構造と性質)。
選択肢 5 ですが
グリセロリン脂質であれば、グリセロールの3つの水酸基に対応する部分があるはずですが、SIP には対応部分が見られません。選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 1,4 です。
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