薬剤師国家試験 第108回 問102 過去問解説

 問 題     

タンパク質の構造に関する記述のうち、正しいのはどれか。2 つ選べ。下図にアミド結合間の水素結合を示す。

  1. 図に示した水素結合は、主に一次構造の形成に働く。
  2. α – ヘリックスは、二次構造の 1 つである。
  3. α – ヘリックスは、図に示した水素結合により 2 本のペプチド鎖間で形成される。
  4. β – シートは、主に周囲の水分子との相互作用で形成される。
  5. ジスルフィド結合は、主に三次構造を安定化する。

 

 

 

 

 

正解.2, 5

 解 説     

選択肢 1 ですが
一次構造とは、アミノ酸の配列のことです。従って「一次構造の形成」に、水素結合は特に関与しません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は妥当です。
代表的二次構造の1つです。

選択肢 3 ですが
αーヘリックス構造をとる時、「1本のペプチドにおける4残基先」と水素結合を取ります。(103-94 タンパク質中のペプチド結合)。「2本のペプチド鎖間」で形成されるわけではありません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
β ー シート構造は、主に長く伸びた βーストランド 同士が、平行もしくは逆平行に並んで水素結合を取ります。「主に周囲の水分子との相互作用」で形成されるわけではありません。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は妥当です。
ジスルフィド結合(S-S)結合についての記述です。

以上より、正解は 2,5 です。

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