薬剤師国家試験 第108回 問94 過去問解説

 問 題     

反応速度の温度依存性に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. アレニウス式は、温度と平衡定数の関係を表している。
  2. 0 次反応にはアレニウス式は適用できない。
  3. アレニウス式に従う反応の場合、アレニウスプロットでは右上がりの直線が得られる。
  4. 2 つの反応のアレニウスプロットの傾きが等しい場合、その 2 つの反応の活性化エネルギーは等しい。
  5. アレニウスプロットの傾きの絶対値が大きい反応ほど、反応速度に与える温度の影響が大きい。

 

 

 

 

 

正解.4, 5

 解 説     

選択肢 1 ですが
アレニウスの式は lnk = -E/RT + lnA です。温度 T と反応速度定数 k の間にある関係を表します。「平衡定数」の関係ではありません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
アレニウスの式は、反応次数に関係ありません。0次反応に対しても、アレニウス式は適用できます。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
横軸に 1/T、縦軸に lnk をとるのが、アレニウスプロットです。この時、傾きが -E/R です。つまり、傾きが負の直線なので、右「下がり」の直線が得られます。右上がりではありません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4,5 は妥当です。

以上より、正解は 4,5 です。

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