薬剤師国家試験 第108回 問15 過去問解説

 問 題     

自然免疫系に認識される、グラム陰性菌に特徴的な構造はどれか。1 つ選べ。

  1. フラジェリン
  2. ペプチドグリカン
  3. リポ多糖 (LPS)
  4. 二本鎖 RNA (dsRNA)
  5. β – グルカン

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

細菌は、形態によって、球菌、桿菌、らせん菌に分類されます。また、グラム染色によって、グラム陽性菌とグラム陰性菌に分類されます。

グラム陽性は青紫色に、グラム陰性は、赤色に染色されます。これは細胞の外側の構造の違いを反映しています。共通構造として、ペプチドグリカンがあります。グラム陰性菌ではこのペプチドグリカン層が薄い代わりに、外膜と呼ばれる膜があります。外膜には、内毒素であるリポ多糖を含みます。ちなみに、細胞質膜と外膜の間はペリプラズムと呼ばれます。

実際のグラム染色の様子の模式図は、以下の通りです。

以上より、正解は 3 です。

ちなみに
フラジェリンとは、細菌の鞭毛を構成するタンパク質の1つです。

β ー グルカンは、真菌細胞壁の構成成分の1つです。

類題 107-119(細菌の細胞表面構造に関して)

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