問 題
粉体の性質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 顕微鏡法により得られた粒子の投影像を一定方向の 2 本の平行線で挟んだとき、平行線間の長さに相当する粒子径をマーチン径という。
- 同一粉体において、質量基準による粒度分布の平均粒子径より、個数基準による粒度分布の平均粒子径の方が小さい。
- 水溶性の結晶性粉体の臨界相対湿度は、水不溶性の結晶性粉体と混合することで低下する。
- 真密度 1.4g/cm3、空隙率 0.5 の粉末 70 gの空隙体積が 2/5 になるまで圧縮した際のみかけの密度は 1.0g/cm3 である。
- 試料粉体の比表面積と平均粒子径が比例することから、比表面積を測定することで試料粉体の平均粒子径を求めることができる。
正解.2, 4
解 説
選択肢 1 ですが
マーチン径は、面積を二等分する径です。2本の平行線で挟むのは、フェレー径です。選択肢 1 は誤りです。(参考 製剤学まとめ 粉体の性質)。
選択肢 2 は妥当です。
一般的に、質量平均径が、他の基準に基づく平均径よりも大きくなることが知られています。(参考 製剤学まとめ 粉体の性質)。
選択肢 3 ですが
水に可溶な結晶性粉末と、不溶な結晶性粉末を混合しても、臨界相対湿度は変化しません。よって、選択肢 3 は誤りです。(98-276 選択肢 2 解説)。
選択肢 4 は妥当です。
質量 70g、真密度 1.4 より、70 ÷ 1.4 より、粉末の体積が 50cm3 です。空隙率 0.5 なら、見た目の体積が 100cm3 です。その後、空隙体積 2/5 まで圧縮 なので、空隙が 20 cm3 になります。これにより、見た目の体積が 30 減少して、70 cm3 となります。重さは変化しません。以下のようなイメージです。
質量 70g、見かけ体積 70 なので、70 ÷ 70 より、みかけの密度は 1.0g/cm3 です。
選択肢 5 ですが
一般的に、粒子径が「小さくなる」ほど、比表面積が大きくなります。(100-49)。「比表面積と平均粒子径が比例」ではありません。また、比表面積から、平均粒子径を求めることはできません。選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 2,4 です。
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