問 題
プラバスタチンの体内動態に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- プラバスタチンは、シトクロム P450 による代謝を受けやすい。
- プラバスタチンは、胆管側膜に存在する Multidrug Resistance-associated Protein 2 (MRP2) により胆汁中に分泌される。
- プラバスタチンは、キニジンとの併用により中枢移行量が増える。
- プラバスタチンの血中濃度は、シクロスポリンとの併用により上昇する。
- プラバスタチンは、有機カチオントランスポーター OCT1 を介して肝細胞内に取り込まれる。
正解.2, 4
解 説
プラバスタチンは HMG-CoA 還元酵素阻害薬です。
プラバスタチンの特徴として以下の 2 点があげられます。
・スタチンの中で水溶性が高く、CYP による代謝を受けない そのまま排泄される薬(このため、肝障害時にも使用可能)。
・プラバスタチンの主な消失経路は2つあり、腎排泄(尿中排泄)と胆汁排泄(糞中排泄)。
プラバスタチンの代表的な相互作用としては
以下2つが特に知られています。
・プラバスタチン+コレスチラミド
・プラバスタチン+シクロスポリン
選択肢 1 ですが
「シトクロム P450 による代謝を受けやすい」わけではありません。選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 は妥当です。
選択肢 3 ですが
水溶性が高いのであれば、中枢移行性は そもそも大きくない と考えられます。そして、キニジンとの併用も知られていません。選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 は妥当です。
OATP 1B1 を介した相互作用です。(106-170 選択肢 3)。
選択肢 5 ですが
有機 「カチオン」 トランスポーター OCT1 ではなく、有機 「アニオン」トランスポーター OATP 1B1 を介します。選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 2,4 です。
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