薬剤師国家試験 第107回 問137 過去問解説

 問 題     

In vitro 遺伝毒性試験に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 不定期 DNA 合成 (UDS) 試験は、哺乳類細胞を用いて化学物質による突然変異を評価する方法である。
  2. マウスリンフォーマ TK 試験は、哺乳類細胞を用いて化学物質による生殖細胞遺伝毒性を評価する方法である。
  3. Ames 試験は、細菌を用いて化学物質による復帰突然変異を評価する方法である。
  4. コメットアッセイは、哺乳類細胞を用いて化学物質による DNA 鎖の切断を評価する方法である。
  5. 小核試験は、細菌を用いて化学物質の染色体異常誘発性を評価する方法である。

 

 

 

 

 

正解.3, 4

 解 説     

選択肢 3,4 を正しいと判断したい問題です。

選択肢 1 ですが
不定期 DNA 合成 (UDS) 試験は DNA 障害性試験の1つです。DNA 障害試験として、他にコメットアッセイ試験(参考 102-132 選択肢 3 解説)があげられます。

不定期 DNA 合成 (UDS) 試験は、遺伝毒性試験の一種ですが、遺伝子突然変異を評価する試験ではありません。突然変異を評価する試験の代表例は Ames 試験です。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
ほ乳類(マウス)培養細胞を用いて化学物質によって誘発される 染色体異常の有無を検出する試験 です。生殖細胞遺伝毒性を評価する方法ではありません。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 は妥当です。
Ames 試験は、化学物質の遺伝毒性を Salmonella Typhimurium 変異株の 復帰突然変異 の出現頻度により検出する方法です。(102-132 選択肢 1)。

選択肢 4 は妥当です。
コメットアッセイについての記述です。

選択肢 5 ですが
小核試験で用いるのは 哺乳類の細胞です。細菌ではありません。前半部分が誤りです。評価するのは化学物質の染色体異常誘発性です。後半部分は妥当な記述です。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 3,4 です。

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