薬剤師国家試験 第107回 問119 過去問解説

 問 題     

細菌の細胞表面構造に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. グラム陽性細菌には、タイコ酸やリポタイコ酸が結合した厚いペプチドグリカン層が、細胞膜の内側に存在する。
  2. グラム陰性細菌には、細胞膜(内膜)の外側に薄いペプチドグリカン層があり、さらにその外側には内毒素であるリポ多糖を含む外膜が存在する。
  3. 淋菌などナイセリア属菌には、ミコール酸と呼ばれる長鎖脂肪酸を多量に含んだ厚い脂質層が存在する。
  4. マイコプラズマには、ペプチドグリカンや細胞膜が存在しない。
  5. 肺炎球菌には、多糖を主成分とする莢膜が存在する。

 

 

 

 

 

正解.2, 5

 解 説     

選択肢 1 ですが
ペプチドグリカンは、細胞膜の外側に存在します。内側ではないので、選択肢 1 は誤りです。(98-220 選択肢 3)。

選択肢 2 は妥当です。
ペプチドグリカン層は、グラム陽性、陰性細菌 両方に共通ですが、陰性の方が薄い という対応も しっかりおさえておきましょう。

選択肢 3 ですが
ミコール酸は、結核菌が菌体の最外周部に持っている 分子量の大きな脂肪酸の総称です。淋菌ではありません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
マイコプラズマに存在しないのは 細胞壁です。細胞「膜」は存在します。ちなみに、細胞壁の主成分がペプチドグリカンです。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は妥当です。
参考 グリフィスの実験 肺炎球菌についての問題 100-118)。

以上より、正解は 2,5 です。

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