薬剤師国家試験 第107回 問117 過去問解説

 問 題     

ヒトの免疫系の組織と細胞に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 骨髄では、造血幹細胞が分裂している。
  2. 胸腺では、B細胞が正の選択と負の選択を受け、形質細胞へと分化する。
  3. リンパ節では、高内皮細静脈から移行したT細胞が、樹状細胞に対して抗原提示をする。
  4. 肝臓では、老化した赤血球が除去される一方で、血液中の抗原に対する免疫応答が行われる。
  5. 小腸のパイエル板では、上皮層のM細胞を介して取り込まれた抗原に対する免疫応答が行われる。

 

 

 

 

 

正解.1, 5

 解 説     

選択肢 2 ~ 4 を切りたい。
選択肢 1 は、本番だと「骨髄、造血幹細胞 よさそう!でも、分裂って言われると・・・あれ、なんか不安になってきた・・・」といった状況は十分考えられます。そこで、確実に 2 ~ 4 を誤りと判断したい問題です。

選択肢 1 は妥当です。

選択肢 2 ですが
胸腺で成熟を受けるのは T 細胞です。B 細胞は 骨髄で成熟を受け、分化します。選択肢 2 は誤りです。(類題 103-14)。

選択肢 3 ですが
抗原掲示を行うのは、MHC クラスⅡ分子が発現している 樹状細胞 や マクロファージ や B 細胞です。(105-118 選択肢 4)。T 細胞は、抗原掲示を受ける側です。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
老化した赤血球は、脾臓で破壊されます。肝臓ではありません。選択肢 4 は誤りです。(参考 生化学まとめ 骨髄、脾臓、胸腺の機能と構造)。

選択肢 5 は妥当です。

以上より、正解は 1,5 です。

コメント