問 題
糖新生に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 乳酸、脂肪酸、ロイシン、グルタミン酸などからグルコースを生合成する代謝経路である。
- 主に骨格筋で起こる反応である。
- 律速酵素であるホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(PEPCK)は、ピルビン酸からホスホエノールピルビン酸を生成する。
- 糖新生の中間体であるホスホエノールピルビン酸の生成には、GTPが必要である。
- グルカゴン刺激により、PEPCK遺伝子の発現が亢進する。
解 説
糖新生とは
グルコース補給不足の環境において、肝臓のグリコーゲン貯蔵もなくなった時などに、乳酸、アミノ酸、オキサロ酢酸といった「糖質以外」からグルコースを合成することです。
糖新生の経路は、基本的には解糖系の逆経路です。解糖系において3つの不可逆反応がありますが、糖新生においてこの経路については迂回経路を経て進行する という点が重要なポイントです。糖新生は主に肝臓、及び量は相対的に少ないですが腎臓でも行われます。(参考 生化学まとめ 糖新生)。
選択肢 1 ですが
解糖系の逆なので、炭素数が小さい物質から大きいものを合成する反応 といえます。従って、炭素数がグルコースよりも基本的に大きい化合物である「脂肪酸」は違うのではないか、と判断できるのではないでしょうか。選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 ですが
糖新生は、主に肝臓、及び量は相対的に少ないですが腎臓で行われます。骨格筋ではありません。選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 ですが
ピルビン酸はまず、ピルビン酸カルボキシラーゼにより、オキサロ酢酸になります。そして、PEPCK により、オキサロ酢酸 → ホスホエノールピルビン酸(PEP) が合成されます。「ピルビン酸から」ではなく「オキサロ酢酸から」が妥当です。選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4,5 は妥当です。
ピルビン酸から、活性化されたピルビン酸ともいえる オキサロ酢酸への変換において、GTP が必要です。また、グルカゴンによる血中グルコース濃度上昇は、グリコーゲン分解 及び 糖新生促進によるものです。糖新生促進について、具体的には PEPCK 遺伝子発現促進などを介します。
以上より、正解は 4,5 です。
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