問 題
図は、アンジオテンシンⅡの生成経路とアンジオテンシンⅡによる血圧調節の概要を示したものである。この図の内容に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
- アンジオテンシノーゲンを分泌する組織 1 は、心臓である。
- アンジオテンシノーゲンを限定分解する酵素 A は、腎臓の糸球体を流れる血液量が上昇した時に分泌量が増加する。
- アンジオテンシンⅠを限定分解する酵素 B は、肺の毛細血管などに多く存在する。
- アンジオテンシンⅡが作用する組織 2 は、副腎皮質網状層である。
- ホルモン C は、腎臓の遠位尿細管での Na+ の再吸収を抑える。
正解.3
解 説
選択肢 1 ですが
アンジオテンシノーゲンを産生、分泌するのは、主に肝臓です。他には脂肪細胞があげられますが、心臓ではありません。選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 ですが
アンジオテンシノーゲンを限定分解する酵素 A とは、レニンです。レニンーアンジオテンシン系は、血圧上昇を引き起こす系です。
レニン分泌量が増加とは、レニンーアンジオテンシン系の活性化、血圧上昇方向です。そうであれば、系が活性化されるのは、血圧が低下している時と考えられます。糸球体に注目すれば、糸球体を流れる血液量が「少なくなった時」に、「おやっ、血圧下がってる?」として系を活性化しようとして、レニン分泌量が増加すると考えられます。従って、選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 は妥当です。
酵素 B は ACE(angiotensin-converting enzyme) です。
選択肢 4,5 ですが
アンギオテンシンⅡは、副腎皮質球状層に作用し、アルドステロン分泌を促進します。この結果、遠位尿細管における再吸収促進 → 抗利尿 → 循環血液量増加 → 血圧上昇 という流れを引き起こします。「副腎皮質網状層」ではありません。また、「再吸収を抑える」ではありません。選択肢 4,5 は誤りです。
以上より、正解は 3 です。
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