薬剤師国家試験 第107回 問41 過去問解説

 問 題     

下図のセファレキシンの消化管吸収に主として関与するトランスポーターはどれか。1 つ選べ。

  1. 有機アニオントランスポーター OAT1
  2. 有機カチオントランスポーター OCT2
  3. P – 糖タンパク質
  4. ペプチドトランスポーター PEPT1
  5. グルコーストランスポーター SGLT2

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

ペプチドトランスポーター PEPT1 によるセファレキシン輸送です。(103-166)。PEPT1 は、SGLT1 と同様に小腸上皮細胞において発現している、H+ 濃度勾配を利用したジペプチドやトリペプチドの吸収に関与するトランスポータです。このトランスポータは、基質認識性が比較的広範であり、β-ラクタム系の抗生物質なども認識して輸送することが特徴として知られています。

以上より、正解は 4 です。


ちなみに、選択肢 1 ですが
OAT1 によるメトトレキサート輸送が代表例です。(106-170)。

選択肢 2 ですが
OCT2 によるシスプラチン輸送が代表例です。(106-170)。

選択肢 3 ですが
P – gp は、多くの基質を輸送します。

選択肢 5 ですが
SGLT(sodium glucose cotransporter) は、Na+/グルコース共輸送体です。代表的二次性能動輸送担体です。SGLT2 は腎臓の近位尿細管に局在しています。グルコースの再吸収の大部分を担っています。阻害薬が糖尿病治療薬として用いられます。

参考 薬剤学まとめ 能動輸送の特徴

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