問 題
麻酔したラットにおいてフェントラミン処置後にアドレナリンを静脈内投与すると、アドレナリンの昇圧作用は認められず、降圧作用のみが見られた。この現象を生じさせたフェントラミンの機序はどれか。1つ選べ。
- アドレナリン α1 受容体刺激
- アドレナリン α1 受容体遮断
- アドレナリン β1 受容体刺激
- アドレナリン β1 受容体遮断
- アドレナリン β2 受容体遮断
正解.2
解 説
アドレナリン反転についての記述です。アドレナリン反転とは、α1 受容体遮断薬投与後に、アドレナリンを注射すると、血圧下降作用が見られる現象です。
アドレナリンは、α1 受容体及び、β2 受容体に作用します。α1 受容体が刺激されると、血圧上昇が引き起こされ、β2 受容体が刺激されると、血圧下降が引き起こされます。α1 受容体を介した作用の方が、より大きい作用のため、従来は、アドレナリンにより血圧は「上昇」します。
しかし、α1 受容体遮断薬を投与していると、β2 作用のみが見られることで、アドレナリンを投与して血圧が降下する、という現象が見られます。(99-29)。
従って、フェントラミンの機序は、アドレナリン α1 受容体遮断と考えられます。
以上より、正解は 2 です。
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