問 題
62歳女性。身長152cm、体重41kg。片頭痛と抑うつに対して次の処方が出されていた。
問248
患者の訴えとして「就寝中に脚の表面ではなく深部に虫が這うような不快感を自覚するが、この不快な感覚は幾分軽快し、日中は自覚することは無い。また時に痛みも自覚する。」があった。
この症状への対策として適切なのはどれか。2つ選べ。
- ミルタザピン錠の増量
- オランザピン錠の追加
- ガバペンチンエナカルビル錠の追加
- ビペリデン錠の追加
- プラミペキソール錠の追加
問249
前問の選択肢1~5に挙げた薬物の作用機序に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ミルタザピンは、アドレナリンα2受容体を遮断する。
- オランザピンは、ドパミンD2受容体を選択的に遮断する。
- ガバペンチンは、神経終末のCa2+流入を促進する。
- ビペリデンは、ムスカリン性アセチルコリン受容体を遮断する。
- プラミペキソールは、セロトニンの再取り込みを選択的に阻害する。
正解.
問248:3, 5
問249:1, 4
解 説
問248
問249 とあわせて解説します。
問249
患者の訴えから、レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)と考えられます。本試験時点での薬物治療は、ドパミン刺激薬を用いたり、抗てんかん薬を用いて治療を行います。
問 248 について
選択肢 1 ですが
ミルタザピン(リフレックス、レメロン)は、NaSSA (ノルアドレナリン・セロトニン作動性抗うつ薬)に分類される抗うつ薬の一種です。シナプス前の α2 受容体の阻害を介して中枢のノルアドレナリン、セロトニンの神経伝達を増強します。又、5-HT2、5-HT3 受容体を阻害することで選択的に 5-HT1 受容体を活性化します。ドパミン刺激ではなく、増量は適切ではありません。選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 ですが
オランザピンは、MARTA に分類される統合失調症治療薬です。多様な受容体に結合し「拮抗作用」を持つ薬です。ドパミン刺激薬ではないため、オランザピン錠の追加は妥当ではありません。選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 は妥当です。
ガバペンチンは、抗てんかん薬です。2つの作用機序により効果を発現します。Ca チャネル α2σ リガンドとしての作用と、GABA トランスポータ活性化です。
選択肢 4 ですが
ビペリデンは、ムスカリン性アセチルコリン受容体を遮断することで、線条体におけるアセチルコリン神経系とドパミン神経系のアンバランスを改善することを期待して用いられる、パーキンソン病治療薬です。ドパミン刺激薬ではないため、追加は不適切です。選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 は妥当です。
プラミペキソールは、ドパミン作動薬です。
以上より、問248 の正解は 3,5 です。
問249 について
先程の各選択肢で説明した作用機序に基づき、正解は 1,4 です。
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