薬剤師国家試験 第106回 問214-215 過去問解説

 問 題     

70歳男性。1年前に妻ががんで死亡し、娘夫婦と同居している。半年前から、元気がなく、物忘れをすることがあった。

最近、「妻が私の隣に座って話しかけてくることがある」、「自分は邪魔にされている」、「娘の子供が私のお金を盗む」などの発言をするようになったので、娘に付き添われて病院を受診した。

レビー小体型認知症と診断され、以下の処方箋を持って薬局を訪れた。

問214

この患者の情報から、処方された抑肝散エキス顆粒によって改善が期待される症状として適切なのはどれか。2つ選べ。

  1. 幻覚
  2. 物忘れ
  3. 妄想
  4. 見当識障害
  5. 運動障害

問215

抑肝散エキス顆粒に含まれる生薬のうち、サイコと協力して、この患者にみられる症状を改善することが最も期待されるのはどれか。1つ選べ。

  1. カンゾウ
  2. チョウトウコウ
  3. センキュウ
  4. ビャクジュツ(又はソウジュツ)
  5. トウキ

 

 

 

 

 

正解.
問214:1, 3
問215:2

 解 説     

問214

抑肝散は、神経の高ぶりをおさえたり、筋肉のこわばりをゆるめる漢方処方です。神経の高ぶりに伴う症状ということで推測すれば、幻覚や妄想の改善が期待できると判断できるのではないでしょうか。

以上より、正解は 1,3 です。

問215

抑肝散の処方は、トウキ、チョウトウコウ、センキュウ、ソウジュツ、ブクリョウ、サイコ、カンゾウです。鎮静作用等が期待されるのはチョウトウコウと考えられます。

以上より、正解は 2 です。

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