薬剤師国家試験 第106回 問164 過去問解説

 問 題     

消化器系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. ナファモスタットは、外分泌腺から分泌された消化酵素を阻害して、膵臓の自己消化を抑制する。
  2. ウルソデオキシコール酸は、カテコール – O – メチルトランスフェラーゼ (COMT) を阻害して、Oddi 括約筋を弛緩させ、胆汁分泌を抑制する。
  3. アスナプレビルは、C 型肝炎ウイルスの NS5A 複製複合体を阻害して、抗ウイルス活性を示す。
  4. ペグインターフェロンアルファ-2a は、免疫細胞を活性化して、ウイルス感染細胞を傷害する作用により、B 型及び C 型肝炎ウイルスの増殖を抑制する。
  5. エンテカビルは、ウイルスの増殖に必要な NS3/4A プロテアーゼを阻害して、B 型肝炎ウイルスの増殖を抑制する。

 

 

 

 

 

正解.1, 4

 解 説     

選択肢 1 は妥当です。
ナファモスタットはタンパク質分解酵素阻害薬です。

選択肢 2 ですが
ウルソデオキシコール酸は催胆薬の一種です。つまり、肝臓からの胆汁分泌を促進します。胆汁分泌抑制薬ではありません。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
~プレビルは、セリンプロテアーゼ NS3/4A 阻害薬です。(104-158)。非構造タンパク質(NS)5A 阻害薬ではありません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は妥当です。

選択肢 5 ですが
エンテカビルは 抗B型肝炎ウイルス薬です。DNAポリメラーゼ阻害薬です。(99-159)。NS3/4A プロテアーゼ阻害薬ではありません。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 1,4 です。

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