薬剤師国家試験 第106回 問136 過去問解説

 問 題     

電離放射線の防御に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 防御の 3 原則である「時間」、「距離」、「遮へい」は、内部被曝の低減を目的としている。
  2. α 線は X 線や γ 線に比べて電離作用が強いので、外部被曝の危険性が高い。
  3. 32P から放出されるエネルギーの強い β線を遮へいする場合は、鉛板や鉛ブロックを用いる。
  4. 安定ヨウ素剤は、甲状腺への131I の蓄積を防ぐために投与される。
  5. 放射性同位体を摂取した後、体内の放射線量が半分になるまでの期間を有効半減期という。

 

 

 

 

 

正解.4, 5

 解 説     

選択肢 1 ですが
内部被ばくとは、体内に放射性物質を取り込み、放射線が体内で発生することによる被ばくです。被ばくとは、放射線を体に浴びることです。「時間」、「距離」、「遮へい」は、外部被ばくの低減が目的です。内部被ばくの低減ではありません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
α 線は、電離作用が強いという、前半部分は妥当です。後半部分ですが、電離作用が強いため、すぐ周囲の物質と相互作用をします。そのため、人が被ばくする前に相互作用をしやすく、外部被曝の危険性は低いです。具体的には、α 線は紙1枚で遮断できます。(105-136)。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
遮へいに鉛板や鉛ブロックを用いるのは、γ 線の遮へいです。(105-136)。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4,5 は妥当です。

以上より、正解は 4, 5 です。

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