薬剤師国家試験 第106回 問121 過去問解説

 問 題     

我が国における性感染症に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルスによって引き起こされる。
  2. 定点把握報告の対象となっている性感染症のうち、膣カンジダ症が最も報告数が多い。
  3. 淋菌感染症の報告数は、公衆衛生の向上により減少し、平成25年以降は感染の報告がない。
  4. B型肝炎は、母子感染に加え、性的接触によっても起こる。
  5. 感染症法*では、梅毒への対応として特定職種への就業が制限されている。
    * 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律

 

 

 

 

 

正解.1, 4

 解 説     

選択肢 1 は妥当です。
尖形コンジローマは、ヒトパピローマウイルスという DNA ウイルスの感染による感染症です。(97-130)。

選択肢 2 ですが
性器クラミジア感染症が最も報告数が多いです。ちなみに、定点把握報告対象は淋菌感染症、性器クラミジア感染症、性器ヘルペス感染症、尖圭コンジローマです。

選択肢 3 ですが
報告がないわけではありません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は妥当です。
B型肝炎は性感染症の1つで、母子感染も見られます。

選択肢 5 ですが
就業制限が行われるのは三類感染症です。三類感染症は、コレラ、赤痢、チフス、O-157 等による腸管出血性大腸菌感染症などです。梅毒は五類感染症です。(参考 衛生薬学のまとめ 一~五類感染症)選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 1,4 です。

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