薬剤師国家試験 第105回 問222-223 過去問解説

　問 題　　　　　

72歳男性。Ａ病院の泌尿器科及びＢ病院の循環器科を受診している。Ａ病院において、侵襲危険度の高い経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)実施のため、泌尿器科医師から、現在服用中の薬を確認し、術前中止薬の有無を調査するよう、Ａ病院の入退院支援センター担当の薬剤師に依頼があった。

患者が持参したお薬手帳の内容、患者へのインタビューなどから、患者の服用薬が判明した。

問222

患者は、手術の前日に入院することが決まった。入退院支援センター担当薬剤師の対応として、適切なのはどれか。2つ選べ。

1. 薬剤師の判断により、入院前日の朝から全ての薬剤を服用中止するように患者に指示した。
2. 泌尿器科医師に、ファモチジンをラベプラゾールナトリウムに変更するように提案した。
3. リバーロキサバンの服用を中止する必要があることを泌尿器科医師に事前に説明した。
4. Ｂ病院の循環器科医師にオルメサルタンメドキソミル口腔内崩壊錠の休薬の可否を確認し、泌尿器科医師に内容を伝達した。
5. 泌尿器科医師にシロドシンの服用中止を提案した。

問223

処方されている抗血栓薬を服用した患者にみられる血液凝固・線溶系の変化として適切なのはどれか。2つ選べ。

1. 組織トロンボプラスチンの生成が抑制されている。
2. トロンビンの生成が抑制されている。
3. プロトロンビンの生成が抑制されている。
4. フィブリンの生成が抑制されている。
5. プラスミンの生成が促進されている。

 

 

 

 

 

　解 説　　　　　

問222

シロドシン（ユリーフ）は、α₁ 遮断薬です。前立腺肥大に用いられます。ファモチジンは H2 ブロッカーです。胃酸の出過ぎを抑えます。これらに関する対応は不要です。従って、選択肢 1,2,5 は誤りです。

選択肢 3 は妥当な記述です。
リバーロキサバンは、選択的かつ直接的第 Ⅹa 因子阻害剤です。トロンビン産生及び血栓形成が抑制されます。手術における出血リスクを増大させるため、中止が必要です。

選択肢 4 は妥当な記述です。
オルメサルタンメドキソミルは、AT₁ 受容体拮抗薬です。降圧剤です。手術による降圧リスクを増大させるため、手術前 24 時間は投与しないことが望ましいとされています。

以上より、正解は 3,4 です。

問223

リバーロキサバンにより、トロンビン産生及び血栓形成が抑制されます。血栓とはフィブリンです。

以上より、正解は 2,4 です。