薬剤師国家試験 第105回 問184 過去問解説

　問 題　　　　　

悪心・嘔吐に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1. 急性胃炎による悪心・嘔吐は、化学受容器引き金帯(CTZ)を介して嘔吐中枢が刺激されて起こる。
2. 脳腫瘍による悪心・嘔吐は、嘔吐中枢が直接刺激されて起こる。
3. 糖尿病性ケトアシドーシスによる悪心・嘔吐は、嘔吐中枢が直接刺激されて起こる。
4. 妊娠悪阻による悪心・嘔吐は、CTZを介して嘔吐中枢が刺激されて起こる。
5. モルヒネによる悪心・嘔吐は、自律神経を介して嘔吐中枢が刺激されて起こる。

 

 

 

 

 

　解 説　　　　　

選択肢 1 ですが
嘔吐は嘔吐中枢を刺激する原因によって、中枢性嘔吐と末梢性嘔吐に大別されます。急性胃炎による悪心・嘔吐は、内蔵からの刺激による嘔吐です。末梢性嘔吐の一種です。CTZ を介した嘔吐は、中枢性嘔吐の一種です。従って、「CTZ を介して」ではありません。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は妥当な記述です。

選択肢 3 ですが
胃拡張などが原因ではないかとされています。嘔吐中枢直接刺激によるものではありません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は妥当な記述です。

選択肢 5 ですが
CTZ 部位での μ 受容体刺激によって起きます。「自律神経を介して」ではありません。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 2,4 です。