薬剤師国家試験 第105回 問152 過去問解説

 問 題     

副交感神経系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. ピロカルピンは、アセチルコリンM3受容体を刺激して瞳孔散大筋を収縮させる。
  2. アンベノニウムは、コリンエステラーゼを不可逆的に阻害して重症筋無力症を改善する。
  3. チオトロピウムは、アセチルコリンM3受容体を遮断して気管支平滑筋を弛緩させる。
  4. トロピカミドは、アセチルコリンM3受容体を刺激して毛様体筋を収縮させる。
  5. オキシブチニンは、アセチルコリンM3受容体を遮断して排尿筋を弛緩させる。

 

 

 

 

 

正解.3, 5

 解 説     

選択肢 1 ですが
ピロカルピンは「直接型コリン作動薬」です。記述は「散大筋」を収縮 とあるので、瞳がパッチリするという記述です。瞳がパッチリするのは「抗コリン薬」です。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
アンベノニウムは間接的コリン作動薬です。「可逆的」にコリンエステラーゼを阻害します。「不可逆的」ではありません。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 は妥当な記述です。

選択肢 4 ですが「トロピ」が入っているので「抗コリン」です。M 受容体の「刺激」ではありません。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は妥当な記述です。

以上より、正解は 3,5 です。

参考 薬理学まとめ 副交感神経に作用する薬

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