薬剤師国家試験 第104回 問278-279 過去問解説

 問 題     

医師からプロポフォールの取扱いについての問合せがあり、集中治療部門の薬剤師が多職種カンファレンスでプロポフォールに関する情報提供を行うことになった。以下は院内採用医薬品であるプロポフォール注射剤1%の医薬品添付文書情報の一部である。

問278

カンファレンスで共有する情報として適切なのはどれか。2つ選べ。

  1. ポリ塩化ビニル製の輸液セットは使用しない。
  2. 開封後は直ちに使用を開始する。
  3. 皮下に投与する。
  4. 4℃で保管すれば、残液を他の患者にも使用できる。
  5. 使用前に微生物ろ過フィルターを通す。

問279

このプロポフォール注射剤1%に含まれている添加剤の本剤中での役割として、正しいのはどれか。1つ選べ。

  1. ダイズ油は、油性注射剤にするための溶剤である。
  2. ダイズ油は、o/w型乳濁性注射剤にするための油相基剤である。
  3. 精製卵黄レシチンは、注射用水に薬物を溶解させるための可溶化剤である。
  4. 精製卵黄レシチンは、懸濁性注射剤にするための懸濁化剤である。
  5. 濃グリセリンは、w/o型乳濁性注射剤にするための乳化剤である。

 

 

 

 

 

正解.
問278:1, 2
問279:2

 解 説     

問278

選択肢 1,2 は妥当な記述です。可塑剤 DHEP 溶出を避けるためです。(97-336)

選択肢 3 ですが
プロポフォールは静注です。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
防腐剤未使用で、1人1回使用し、もし残薬がある時は廃棄します。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
フィルターに吸着してしまうため、ろ過フィルターを通してはいけません。よって、選択肢 5 は誤りです。(97-336)

以上より、問278 の正解は 1,2 です。

問279

選択肢 1,2 ですが
ダイズ油は、o/w 型注射液にするための油相基材です。よって、選択肢 1 は誤りです。選択肢 2 は妥当な記述です。

選択肢 3,4 ですが
レシチンは「乳化剤」です。よって、選択肢 3,4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
濃グリセリンは等張化剤です。よって、選択肢 5 は誤りです。(96-175)
以上より、問279 の正解は 2 です。

コメント