問 題
学校校舎の老朽化のために一部(図工準備室)の建替えが行われた。建替えた校舎を利用した生徒から、目、鼻、のどの刺激、めまいの訴えが続いた。養護教諭から学校薬剤師に相談があり、学校薬剤師はこの教室内の空気中の化学物質検査を行うことにした。
問244
学校環境衛生基準に指定されている物質であり、生徒の症状の原因と考えられるのはどれか。2つ選べ。
- 一酸化炭素
- アセトン
- ホルムアルデヒド
- トルエン
- アスベスト
問245
前問で選択した原因物質を測定するための学校環境衛生基準に基づいた測定法はどれか。2つ選べ。
- 検知管法
- ザルツマン法
- ジニトロフェニルヒドラジン誘導体化法を用いた高速液体クロマトグラフ法
- ガスクロマトグラフ-質量分析法
- 酵素免疫測定法
正解.
問244:3, 4
問245:3, 4
解 説
問244
選択肢 1,2 ですが
CO 過剰なら、息苦しい、気持ち悪い、アセトン過剰は吐き気や頭痛に加え、異臭もするだろうと推測されます。もっと内部から来る違和感です。目、鼻、のどの刺激といった、表面におきる症状ではないと考えられます。よって、選択肢 1,2 は誤りです。
選択肢 3,4 は妥当な記述です。
選択肢 5 ですが
アスベストによる健康被害は、吸入後すぐに出ることは知られていません。よって、選択肢 5 は誤りです。
以上より、問244 の正解は 3,4 です。
問245
選択肢 1,2,5 を確実に誤りと判断したい問と考えられます。
選択肢 1 ですが
検知管法は CO,CO2 などの測定に用いられます。(103-140)よって、選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 ですが
ザルツマン法は NO2 測定法です。(98-137)よって、選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3,4 は妥当な記述です。
選択肢 5 は
ダニまたはダニアレルゲンの測定法です。よって、選択肢 5 は誤りです。
以上より、問245 の正解は 3,4 です。
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