薬剤師国家試験 第104回 問238-239 過去問解説

 問 題     

小学生が大麻を吸引した事件が起きた。事件が発生した地域の学校薬剤師会の依頼により麻薬取締官が、学校薬剤師を集めて大麻の成分、作用や分析法について講義を行った。

問238

大麻に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。

  1. 乾燥させた大麻の葉は、一般にマリファナと呼ばれる。
  2. 大麻の向精神作用の本体は、テトラヒドロカンナビノールである。
  3. 大麻の向精神作用の本体は代謝されにくいため、尿中から主として未変化体が検出される。
  4. 大麻使用の有無を簡易検査するには、尿を検体とするキットが用いられる。
  5. 大麻成分の分析には、ガスクロマトグラフ法や高速液体クロマトグラフ法が用いられる。

問239

後日、学校薬剤師が保護者への説明会で伝えるべき大麻の特徴や問題点として正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 異常に強い幸福感を感じたり、そこにいないはずの人や物が見えたりする。
  2. 乱用を止めても、以前使用していた時の感覚が突然よみがえることがある。
  3. 大麻は栽培しても処罰の対象にならない。
  4. 精神依存はなく、身体依存が主である。

 

 

 

 

 

正解.
問238:3
問239:1, 2

 解 説     

問238

選択肢 1,2 は妥当な記述です。

選択肢 3 ですが
尿中薬物検査において、カルボン酸代謝物が検出されます。「未変化体」ではありません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4,5 は妥当な記述です。

以上より、問238 の正解は 3 です。

問239

選択肢 1,2 は妥当な記述です。

選択肢 3 ですが
大麻栽培は処罰対象です。しばしば大学生などによる栽培で捕まっているニュースが報道されていることなどを連想すると判断できるのではないでしょうか。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
テトラヒドロカンナビロールは、精神依存性、耐性は弱く、身体依存性の危険性は低いとされています。よって、選択肢 4 は誤りです。

以上より、問239 の正解は 1,2 です。
類題 98-152,102-240241

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