問 題
ウィンクラー法による水中の溶存酸素量(DO)の測定法の概略を以下にまとめた。
【操作A】試料水で充満させた測定瓶にMnSO4溶液1mL及びアルカリ性ヨウ化カリウム(KI)・アジ化ナトリウム溶液1mLを加え、栓をした後、転倒混和し、静置する。
【操作B】濃硫酸1mLを、沈殿を巻き上げないように測定瓶に加え、直ちに栓をして転倒混和する。
【操作C】測定瓶から試料水の一定量を分取し、生じたヨウ素の量をデンプン試薬を用いてチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定する。
この方法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 操作Aでアジ化ナトリウムを加えるのは、試料水中の亜硝酸イオンと溶存酸素との反応を促進させるためである。
- 操作Aによって生じた沈殿は、亜マンガン酸である。
- 操作Aを行った後、上清中のDOは、この操作の原理上、ゼロとなる。
- 操作Bにより沈殿が消失し、溶液が黄色になるのは、硫酸酸性下でKIが還元されるためである。
- 操作Cにおける滴定の終末点の前後で溶液の色は無色から青色へ変化する。
正解.2, 3
解 説
選択肢 1 ですが
アジ化ナトリウムは、亜硝酸による I2 遊離を避けるために加えます。「亜硝酸イオンと溶存酸素の反応促進」のためではありません。よって、選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2,3 は妥当な記述です。
選択肢 4 ですが
硫酸酸性下なので「酸化」です。よって、選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 ですが
「ヨウ素+チオ硫酸ナトリウム」なので、はじめはヨウ素(I2)+デンプン試薬の色である「青」です。ヨウ素がチオ硫酸ナトリウムによって還元されてなくなった所で「無色」になります。よって、選択肢 5 は誤りです。チオ硫酸ナトリウムが「還元剤(相手を還元させる物質)」であることは基礎知識です。
以上より、正解は 2,3 です。
類題 101-137
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